コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの転職市場動向

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コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションでの仕事は、社長をはじめ、経営陣との相性は非常に重要です。JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントは普段から、採用企業の経営陣と直接コミュニケーションを取っており、企業の事情や経営陣の方々について、よく理解しています。また、そういった背景から、エグゼクティブポジションでの転職サポート実績も豊富です。

企業のコーポレート/管理部門領域における課題とは

近年、大手企業を取り巻く環境が大きく変化しています。
「サステナビリティ」への意識がグローバルで高まるなか、各社は「SDGs」「ESG」関連の取り組みやその状況の開示が求められるようになっています。「DX(デジタルトランスフォーメーション)」も推進され、ビジネスモデルの転換や働き方改革も進められています。
こうした環境下、コーポレート部門・管理部門でも、これまでにない課題に向き合っています。


経理・財務領域の課題

経理・財務領域においては、次の成長戦略を描くにあたり、既存事業の拡大に加え、ポートフォリオの多様化や異業種との連携を推進する動きが活発化しています。
これにともない、「M&A」「CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)」などの戦略を検討するほか、投資家対応の重要性も高まっています。

人事領域の課題

数年前から取り組みが始まった「働き方改革」が、ここ数年で一気に加速。リモートワークをはじめ、柔軟な働き方の仕組みの導入・運用が課題となっています。
中長期で労働力が減少していくため、人材獲得のための採用戦略、「ジョブ型雇用」の導入、エンゲージメント向上などのリテンション(人材流出防止)戦略、風土醸成などへの取り組みが活発化しています。
「人的資本の情報開示」が義務化の方向へ進んでおり、その対応も急務となっています。

広報領域の課題

「情報開示」がこれまで以上に重要となっていくにあたり、自社社員・株主・投資家などすべてのステークホルダーに対する発信に統一感を持たせる必要性が高まっています。
社内広報・社外広報・IRと、従来は分業体制だったところ、組織体制を見直す企業が増えています。

コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの採用ニーズ・転職動向

これまでにない課題に対応するため、コーポレート/管理部門では部長クラスを中心にCFO・CHROクラスの求人も出てきており、採用決定事例も増えています。また、求人企業の業種も多岐にわたります。
「CFO」ポジションに関しては、東証のグロース市場~スタンダード市場、あるいはプライム上場前後のフェーズにある企業からのニーズが中心です。基本的にはCFOの経験者が求められます。
ただし、IPO準備中の企業では、CFO経験がなくてもCFOに近しいポジションでの業務経験や、IPOを経験してきた方であれば採用対象となります。
一方、「広報」については、エグゼクティブクラスに広報のスペシャリストがほとんど見られません。そのため、各社課題感はあるものの、どのような方を迎えるべきか人材像が明確化していない企業が多数です。
「1社経験の人よりも、複数の企業で広報に携わってきた経験を必要としている企業もあるため、広報のコンサルタントなども採用対象となります。

転職による年収の変化

採用されている方の年収帯のボリュームゾーンは1500万円前後です。
「自社の給与テーブルの水準を超えたとしても、本当に必要な人材であれば採用する」というケースもよく見られます。
一方、エグゼクティブクラスで転職に踏み切る方々は、年収についてはそれほどこだわらない傾向があります。
ご自身の経験・スキルを生かして貢献することにやりがいを感じ、よほど生活レベルを落とすことにならないかぎり、年収は「維持」あるいは「若干ダウン」の条件を受け入れて入社する方が多いです。
その裏側には、「入社後に成果を挙げて貢献すれば、年収水準は元に戻せる/上げられる」という自信が見てとれます。

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コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの採用で求められる人材像

管理部門職イメージ

コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの採用においては、どのような経験・スキルが求められるのでしょうか。企業によって重視するポイントは異なりますが、以下5点が傾向として見られます。

同様の課題を解決した実績

採用企業が抱えている課題と同様の課題に対し、解決した実績があるかどうかが重視されます。
企業が変われば環境もリソースも変わるため、過去の成功体験・ノウハウを「採用企業でも再現できるか」がポイントとなります。

「経営」「ビジネス」の視点

管理業務のオペレーションを回してきた管理職ではなく、「経営」「ビジネス」の視点を持ち、経営戦略に基づく資本政策・人事施策などを提案・実行してきた方が求められます。

採用企業より進んだ成長ステージでの経験

コーポレート/管理部門職の採用においては、これまで在籍した企業の成長ステージ・規模も注目されます。
組織として抱える課題が共通しているためです。
上場準備企業であれば上場企業での経験者――といったように、採用企業より一歩先の企業の出身者が歓迎されます。
採用企業と同等のステージでも、同じ課題を解決した経験がある方は採用対象となります。

多様なステークホルダーとのコミュニケーション力

「経営陣」「社内の各事業部門」「外部パートナー」「投資家」など、多様なステークホルダーと適切なコミュニケーションをとり、連携する力が重視されます。特に、「変革」を担うエグゼクティブには、多様な人を巻き込む力は欠かせません。

多様な環境での経験

転職経験があり、さまざまな環境で仕事をしてきた方のほうが、環境変化への柔軟な適応力があると見なされるため、勤務経験が1社のみの方より、転職経験がある方が優遇される傾向があります。

ただし、1社経験であっても「子会社出向」など環境変化を経験している方であれば懸念を払しょくできる可能性があります。

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コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの転職成功事例

CFOポジションで転職に成功された方の事例をご紹介します。

Sさん(50代前半/男性)は、銀行・ベンチャーキャピタルなどを経て、上場ベンチャー企業のCFOを務めていました。ポートフォリオの多様化を目的としたM&A施策に取り組み、買収を完遂。次のキャリアを見据え、JACのコンサルタントに相談されました。
「これから成長する可能性がある企業で経験を生かしたい」というSさんに対し、コンサルタントからはさまざまな業種のCFO・管理部長の求人を紹介。結果、企業向けサービスを手がけるX社にCFOとして入社されました。
X社はプライム上場まで果たしているものの、成長の踊り場にさしかかった段階。次の成長に向けてアクセルを踏むため、M&AやCVCなどを検討しており、それらの経験を持つSさんを高く評価したのです。
Sさん自身は、「自身の価値を発揮できるポイントが多い」「社長の考え方・価値観に共感できる」点を重視してX社を選択されました。
前職で2000万円前後だった年収は、X社入社時は数百万円ダウンとなりましたが、「入社後に成果を出すことでまた年収を上げられる」と考え、決断。実際、数年後に取締役ポジションまで昇格され、年収も元の水準に戻しています。

コーポレート/管理部門のエグゼクティブ転職ならJAC

私たちJACは、コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションへの転職を目指す方に、さまざまな価値をご提供できます。

JACにしかない求人情報

コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションの求人については、コンフィデンシャルな事案であるだけに、採用企業は、複数の転職エージェントを併用せず1つの転職エージェントのみに依頼するケースも多数。特にメーカーなどでは、その傾向が見られます。
そのため、JACにしかない求人を、転職ご希望者の方にご提供できることもあります。

経営陣から直接得た情報の提供

JACのコンサルタントは、採用企業の人事担当者だけでなく、経営陣と直接コミュニケーションをとっています。採用背景となっている課題や求める人材像など、経営者のリアルな声を聴き、応募を検討する方にお伝えすることが可能です。
求める人材像を把握しているため、面接対策の一環として、効果的なプレゼンテーション方法などもアドバイスいたします。

経営陣の「人物像」の情報提供

コーポレート/管理部門のエグゼクティブポジションでの仕事は、社長をはじめ他の経営陣との「相性」は非常に重要です。
JACのコンサルタントは、普段から採用企業とコミュニケーションをとっているため、経営陣の方々の「考え方」「価値観」などを理解しています。応募を検討する方々の判断材料となるよう、応募検討企業のウェブサイトからだけでは分からない情報をお伝えしています。
転職をご検討の方はもちろん、今すぐ転職という状況でなくとも、まずはお気軽にご相談ください。
転職するかどうかを判断するための情報も、ご提供いたします。

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この記事の著者

稲岡 英治

Executiveディビジョン 部長
【得意ポジション】部長/ダイレクターからCxOクラスの事業フロントの幹部職、およびコーポレート幹部職、社外取締役などのカバナンスポジション。
2005年よりJAC Recruitmentに中途入社。2015年より経営幹部ポジションに特化した転職支援サービスJAC Executiveに参画。
現在はその部門長として、成長企業やプライム上場企業、海外現法などのエグゼクティブポジションの転職をサポート。

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